あらすじ

冷たい雨が打ち付ける東京の裏通り。居場所を失い、極限の空腹に苛まれていた少年・レンと少女・アカネは、商店街にある小さな弁当屋の勝手口から、売れ残りのおかずケースを盗もうとする。 その現場を元刑事の夜間警備員・タカシに見つかるが、店主の老婦人・マミは二人を警察に突き出すどころか、温かい厨房へと招き入れ、湯気の立つ豚汁と唐揚げ弁当を差し出すのだった。 行き場のない二人は、そのまま店で「仕込みの手伝い」として住み込みで働くことになる。大人の監視や善意を信じられず鋭い牙を剥くアカネと、自責の念に押しつぶされそうなレン。しかし、包丁を握り、お弁当という「誰かの生を支える食事」を作る日々のなかで、頑なだった二人の心は少しずつ解きほぐされていく。 だが、子どもたちを温かく包み込むマミも、正義感あふれるタカシも、実は胸の奥底に決して消えない深い傷と過去の秘密を抱えていた――。 壊れた勝手口の鍵、深夜の厨房から漏れる小さな灯り。 傷だらけの大人と子どもたちが、お弁当を通じて温かな温もりに触れ、自らの足で立ち上がっていく姿を描く、やさしくも切ない救済の物語。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/07/25
  • 現在の作品お弁当屋の勝手口