あらすじ
万物は、砕けた神の破片でできている。原初神が死に、粉々になって世界へ降り積もった。人はその一片を”アルケー”として体に宿し、水を操り、風を止め、剣を極める。
海際の小さな村に、スイという少年がいた。育て親のバルドと、八十人ばかりの民と暮らしていた。世界から忘れられたようなその村は、ある日、たった一人の男の思いつきで焼かれる。天秤の男、ヴィス・ノーレン。彼はスイの”重さ”だけが測れなかった。ただ確かめるために、村を灰にした。
全てを失ったスイは旅に出る。世界の形を殺し合いで決める祭典”ラグナロク”。そこで勝てば、線の引き方も、誰が誰に頭を下げるかも、全部を書き換えられる。一人が国と同じ重さで数えられる世界を、二度と誰にも焼かせない世界に変える――そのために。