あらすじ
毎年、夏祭りの日だけ会える君がいた。
小学六年生の夏。
地元の小さな夏祭りの駐輪場で、涼芽は一人の少年と出会う。
無愛想なのに、どこか優しい。
毎年同じ場所で、誰かを待ち続ける少年・海。
名前も知らなかった二人は、一年に一度、夏祭りの日だけ少しずつ言葉を交わし、ラムネを飲み、花火を見上げながら、互いを特別な存在へと変えていく。
しかし、コロナ禍で訪れた「会えない夏」。
三年ぶりの再会を経て縮まる距離の裏で、海が毎年夏祭りに通い続ける本当の理由を、涼芽はまだ知らなかった。
それは、大切な人と交わした、ひとつの約束。
約束を守り続ける少年と、その約束の先で出会った少女。
これは、「待つこと」の意味を知った二人が、新しい約束を結ぶまでの、八年間のひと夏ずつの恋物語。