あらすじ
「呪文は、日本語――?」
現代日本のIT企業で業務改善を担当していた鍵(かぎ)は、
気づけば見知らぬ異世界の召喚陣の上に立っていた。
勇者でも、魔法使いでもない。授かったスキルは【コード魔法】。
文字を書けば、それが魔力に変換されて実行される――
つまり「書いた通りに、世界が動く」力だった。
帳簿が、勝手に整う。物資の在庫が、ひとりでに集計される。
記録が、自動で更新されていく。
剣も炎も出せないその力を、この世界の誰もが「地味だ」と笑った。
だが鍵は知っている。剣で救える村より、
仕組みで救える国のほうが、ずっと大きいことを。
指示に淡々と従う精霊型AI・クロード。
交渉と営業を任せられる、商家出身の有能な娘・アリア。
二人を仲間に、鍵は異世界初の会社――【AIカンパニー】を立ち上げる。
最初の仕事は、飢えかけた農村の帳簿整理。
やがて依頼は王国の徴税システムへ、国境都市の物流へ、
貿易港の記録制度へと広がっていく。
「小さく試して、記録して、そこから展開する」――
たったそれだけの順番で、鍵は国のかたちを変えていく。
しかし東の国境で、ひとつの記録改ざん事件が起きる。
数字の裏にあったのは、帝国の影と、
文字を魔力に変える力の起源――古代遺跡【アルヴァ】の謎だった。
「どこも、仕組みが壊れていて、情報が見えていなかった。
根っこは、ずっと同じ仕事ですよ」
チートは剣ではなく、ロジック。
データと仕組みで異世界を作り直す、
お仕事系×ビジネス異世界ファンタジー、開幕。