あらすじ
下級貴族令嬢セラフィナ・ロウエルは、貴族社会で役に立たないと笑われる遺言執行人見習いだった。
彼女の職能は【封蝋読み】。
手紙、契約書、遺言書、帳簿、古い封筒に残った“書き手の本心”や“隠された条件”を読み取る力だ。
だが、派手な魔法ではないその力は、婚約者にも義妹にも理解されなかった。
「死んだ人間の書類しか読めない紙くず令嬢など、妻にする価値はない」
婚約者と義妹に遺言書偽造の罪を着せられ、婚約破棄され、実家からも追放されたセラフィナ。
すべてを失った彼女のもとに、呪われた公爵家から一通の依頼状が届く。
依頼内容は、亡き先代公爵の遺言書を開封すること。
莫大な資産を持つはずのヴァイス公爵家は、なぜか破産寸前。
屋敷では使用人が消え、帳簿は合わず、領地の孤児院と病院への支援金も消えていた。
冷徹公爵と噂される現当主レオンハルトは、実は孤独に家と領民を守ろうとしていた。
セラフィナは【封蝋読み】で、改ざんされた帳簿、横領された支援金、消された相続人、そして公爵家に仕掛けられた呪いの正体を暴いていく。
一方、セラフィナを追放した実家と元婚約者は、彼女に押しつけた罪のせいで少しずつ破滅へ向かい始める。
これは、紙くず令嬢と笑われた少女が、死者の願いと書類の嘘を読み解き、呪われ公爵家に本当の居場所を得るまでの物語。
婚約破棄から始まる、相続ミステリー×契約結婚×横領ざまぁ×じれ溺愛ファンタジー。