あらすじ
王太子ジェラルに婚約を破棄され、生きたまま名前を葬る「生葬」を命じられたエルネ。
自分の葬儀で読み上げられた弔辞は、王家に奪われた日々を、彼女が自ら望んだ献身として美しく書き換えていた。
「訂正を」
家族を捨てたのではない。故郷で行われた母の葬儀へ参列することを、王家に許されなかったのだ。
エルネは復讐を叫ばない。ただ、自分の人生に重ねられた嘘を、一つずつ事実へ戻していく。
その言葉を一字も削らず記録するのは、七年間、彼女の婚約誓約を書き取ってきた神殿書記ノア。
やがて王太子と次期妃候補は、罪のないエルネを死者にする理由を、自らの署名と声によって公の記録へ残すことになる。
名前も、望みも、すべて奪われてきた令嬢が、自分で選んだ名前と人生を取り戻す、静かなざまぁと恋愛の物語。