あらすじ

伯爵令嬢ネルは、幼い王太子テオの教育係。文字を教えるとき、彼女はいつも言った。「まちがいには、意味がある」——まちがいを恐れず、その理由を読みなさい、と。 ところがある日、テオの書いた誤字だらけの作文が「無能な教育係の証拠」とされ、ネルは婚約破棄され、宮廷を追放される。 半年後。辺境で子どもに文字を教えるネルのもとへ、王子付きの護衛だったシリルが、あの作文を携えて現れる。療養と称して人前から消えた王子。姿を見せない「回復した殿下」。そしてネルは、テオの名の終いから、彼女が何年もかけて仕込んだ小さな撥ねが消えていることに気づく。 誤字は、無能の証拠ではなかった。教えた癖と「違う」まちがいは、幽閉された王子が、彼女だけに読めるように書いた——助けを求める暗号だった。 まちがいには、意味がある。読める者だけが、それを読む。

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カクヨム
カクヨム2026/07/25
  • 現在の作品「王子に誤字を書かせた無能な教育係」と追放された令嬢——その誤字は、幽閉された王子の暗号だった