あらすじ

体の弱い聖女エルシラの代わりに、慰問巡礼へ立たされた侍女マリカ。命じられた務めは「顔を見せ、手を振るだけ」。けれど病人の枕もと、産後の母、畑を流された農夫——村々でマリカの手は、聖典の外へこぼれてしまう。目の見えぬ老婆ヤナだけが、その手を握って言った。「あんた、聖女さまじゃないね。……でも、祈る人の手だ」 巡礼最終日、増水した川に子どもが落ちる。面帕を捨てて飛び込めば、借り物の顔が知れてしまう——それでも彼女は水へ跳んだ。素顔がさらされたとき、群衆の嘲りが、静かな畏敬に変わる。 面帕の内側の素顔を、ただひとり昔のまま見ていた幼馴染の衛士がいた。前世でも今世でも「誰かの代わり」だった娘が、はじめて自分の名前で呼ばれ、自分の足で立つまでの物語。読み切りです。

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小説を読もう2026/07/25
  • 現在の作品「顔を見せて手を振るだけ」の身代わり聖女が、川に飛び込んで素顔がバレました 〜その顔を昔のまま見ていた、幼馴染の衛士がいて〜