あらすじ

世界は、歩く巨獣の背の上にある。地上は灰の海に沈み、人は獣の背にしか住めない。 だが獣にも寿命がある。獣が死ぬとき、街は丸ごと次の獣へ「渡る」しかない。その渡りを設計し、執り行う職人を――遷街師という。 トウヤは獣の余命が視える。触れれば、獣の胸で燃える生命の炉《熾》の残りが、数字になって落ちてくる。三年前、故郷の獣に「あと三年半」と告げた彼は、不吉な子として村を追われた。 流れ着いた獣・鉄嶺の背で、彼はまた同じものを視てしまう。余命四十日。組合の公示は「十年以上」。誰も信じない。 その夜、獣が最初の膝をついた。崩れた祠の下から現れたのは、記憶をなくした白い少女。腕には、獣の生命を意味する古い一文字が刻まれていた。 街をまるごと運ぶ大工事と、獣の最期を看取る作法。捨てるものを決める仕事と、それでも渡したいものの話。 死にゆく巨獣の背から始まる、少年と「獣だった少女」の渡り旅。

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カクヨム
カクヨム2026/07/25
  • 現在の作品獣の余命が視えるせいで故郷を追われた俺は、死にゆく巨獣の背から街をまるごと引っ越させる ~最後の遷街師と、獣だった少女の渡り旅~