あらすじ
魔法も、剣も、それなりに人並みにこなせていたはずだった。
だがそれは、才能ではなく、家名の威光に寄りかかっていただけだった。
不正が発覚し、学園を追放され、父からも見放されたアルベルに残されたのは、着替えと僅かな金、そして小さなナイフだけ。
頼れる者は誰もいない。名乗れる家名もない。
それでも、詰んだとは思わなかった。
薪を拾い、薬草を摘み、罠を仕掛け、少しずつ日銭を稼ぐ。
街の人と少しずつ言葉を交わし、失敗しては学び、また明日を迎える。
派手な成り上がりも、俺TUEEEも、ここにはない。
あるのは、今日できなかったことが、明日は少しだけできるようになる、そんな積み重ねだけ。
これは、全てを失った男が、もう一度、自分の足で生き直していく物語。