あらすじ
─形あるものは、滅びるからこそ、美しい。
強欲と傲慢を司る獣の魔王。
嫉妬と暴食を司る海の竜王。
過去と未来を見通す門番の神。
月の狂気を宿す女神。
四柱の神話級の存在が交わり、
そして生まれたもの。
それは、全ての滅びの始まりだった。
名は、ヴァニタータム。
彼は破壊を望むわけではない。
彼にとって世界とは、
あまりにも美しいものだった。
永遠に続く楽園。
積み重ねられた歴史。
誰かが抱いた願い。
まだ訪れていない未来。
しかし、永遠なるものに終わりはない。
終わりがなければ、
最も美しい瞬間は永遠に訪れない。
だから彼は喰らう。
過去を。
未来を。
奇跡を。
生命を。
全てが失われるその瞬間こそが、
最も美しいと信じて。
これは、世界を救う英雄の物語ではない。
これは、滅びに魅了された怪物が、
全てを空へ還すまでの物語である。