あらすじ
王宮に仕える給仕係エマは、誰にも存在を意識されない「空気」のような使用人だった。
ある晩餐会で、王太子アルベルトは婚約者カタリーナに国家反逆の罪を突きつけ、正式な審理も行わないまま翌日の処刑を命じる。
カタリーナの死後、王太子はかつての恋人を再び王宮へ招き、給仕を締め出して二人きりの晩餐を楽しむようになった。
だが、その食後の皿には奇妙な痕跡が残されていた。
誰も給仕係のことなど見ていない。
けれど給仕係は、食卓についた者たちのことを誰よりもよく見ている。
エマは食器に残された小さな違和感から、王太子が隠している恐ろしい秘密に気づいてしまう。