あらすじ
脳神経外科の分野で、外部電子機器と交信可能な突然変異神経系『電脳』が偶然発見されたのは、世紀が次へと跨がろうとする頃だった。
そこから四半世紀程の時間を掛けて電脳技術文明は成熟しつつあり、人間社会は端末なしで電子の海を漂いながら現実を生きるようになる。
人口が激減した戦争は、電脳のせいか、それとも人類の元々の本能か。いずれにしても、地球の多くの部分は人間が余裕をなくてその管理から解放されて、自然へと荒れ果ててたっぷりと命を繁栄させている。
それでも、いやそんな時代だからか、数も少ない人間の中にもあぶれ者は出てきて、そいつらは当然のようにたむろし始めて社会の法律とか倫理の届かない大自然の中で勝手に街を作り生活をし始めた。それは日本でも変わらない。
そんな、行政の担当区分の空白『チガイ』に現れた無法者のオアシスの一つが『麻幌市』だ。その街には『ミラージュ』という新しい嗜好品で人々を楽しませている。
『ミラージュ』は一見すると電子煙草やシーシャのようだが、煙を吸うのではなく『熱を吸う』のだ。本体で熱した空気を、フィルターと香料の詰まったパイプを通して吸う。口の中や喉の奥、それから肺が炙られる熱さが、『なんとも生きている』と実感できるのだとか。
そんな『ミラージュ』にはオカルトな噂がある。どうやら、幻を現実に変える魔法が使える、マギなやつが隠されてるというのだ。
そしてそれは、事実である。
【参考作品】『トーキョーN◎VA』『攻殻機動隊』『マトリックス』
※本作では未成年が喫煙しているように思える表現がありますが、『ミラージュ』は煙草ではなく健康被害も起こさない健全な嗜好品です。また未成年の喫煙を推奨しません。喫煙は二十歳になってからにしましょう。