あらすじ

王立鑑定院で十年、あらゆる贋作を暴いてきた天才鑑定士リゼット。しかしある日、次代の国宝と目される「聖剣」の真贋を科学的に検証し、それが精巧な偽物だと証明してしまう。証拠を突きつけられた大先輩は逆上し、彼女は「証拠より格を敬え」の一言だけで追放される。行き場を失った彼女が流れ着いたのは、王都の裏路地で潰れかけていた小さな鑑定所。営むのは自信なさげな獣人の青年ただ一人。そこで彼女は、直感でも権威でもなく、密度・反応・組成という覆しようのない理屈だけを武器に、次々と持ち込まれる曰くつきの品や、呪いと噂される奇病の謎を、本人はいたって真面目に「当然のことです」と解き明かしていく。真実は常に彼女の側にあり、権威にすがるだけの者たちはその前で為す術もなく崩れていく。そして崩壊の足音は、彼女を追放したはずの鑑定院にも確実に迫っていた――。これは、才能でも運でもなく、動かぬ証拠だけで世界を黙らせていく、静かなる下剋上の物語。

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小説を読もう2026/07/25
  • 現在の作品『証拠より格を敬え』と王立鑑定院を追放された天才鑑定士、うらぶれた鑑定所で偽物を一つも逃さず成り上がる ~権威にすがった古巣は、崩れゆく嘘の後始末もできずに没落する~