あらすじ
「ごちゃごちゃ言うとらんで、うどん食おう」
播州平野の片隅、立野市越部町の「北住宅」。そこは、傾いた電柱とトタンのバラックがひしめく、まるで時間が止まったような奇妙な村だった。
ある初夏の日、この村の公衆電話から、奇妙な110番通報が入る。
「蒼い家…」
駆けつけた警察が目にしたのは、玄関に転がる母娘の惨殺死体。そして、ドアの鍵も窓の鍵も内側から完全に閉ざされた、完璧なる「二重の密室」だった。
この怪事件に首を突っ込んだのが、近所で八百屋を営む自称・名探偵の「アゲハおばちゃん」。クルクルパーマに100キロの巨体、野生の勘と圧倒的な「盛り癖」で突き進むおばちゃんに巻き込まれたのは、こちらも超重量級の熊五郎巡査。
「犯人は栃木の闇バイトや!」
おばちゃんのデタラメな推理に振り回されながら、熊五郎は事件の裏に隠された哀しい「過去の因縁」を少しずつ剥ぎ取っていく。
台風が吹き荒れる播州を、黄色い軽トラで爆走する大柄なふたり。
彼らがたどり着いた、歪で切ない「密室の真相」とは?
圧倒的な人間エネルギーが五臓六腑に染み渡る、泥臭くて、温かくて、ちょっと不気味な播州地産ミステリ!
※本作は実際の事件から着想を得たフィクションです。登場人物・団体・事件・地名などは創作であり、実在のものとは関係ありません。