あらすじ
王都の繁盛酒場《シーフ》で働く少年、チフユ・オヴェール。
幼い頃に両親に捨てられ、身寄りのない彼にとって、その酒場は唯一の居場所だった。給仕として働き始めて三年。客の好みを瞬時に見抜き、揉め事を未然に防ぎ、店の売上まで伸ばしてきたチフユは、ある日、店主から突然こう告げられる。
「二号店の店長を任せたい」
十五歳で店長への大抜擢。
夢のような話に思えたが、赴任先として指定されていたのは――人類最大の敵が住まう魔王城だった。
魔王軍の女幹部に連れられ、敵地のど真ん中へ送り込まれたチフユを待っていたのは、客足の途絶えた酒場と、問題だらけの訳あり従業員たち。
無愛想な魔族の少女。
酒癖の悪い元勇者。
素性を隠す謎の給仕。
そして、なぜかチフユの店に入り浸る美しき魔王。
剣も魔法も使えない。
けれど、客が本当に求めているものなら誰よりも分かる。
本人すら気づいていなかった天才的な経営手腕と人を見る目によって、潰れかけの酒場は少しずつ生まれ変わり、やがて魔王城だけでなく、人間と魔族の関係すら変えていくことになる。
これは、ただの酒場店員だった少年が、魔王城一の店を作り上げ、魔族も勇者も美少女たちも虜にしていく、異世界ファンタジー×酒場経営ラブコメディ