あらすじ

俺の主は、断罪の場で罪状を一つも否定しなかった。「ええ、全部やりましたわ」——そう微笑んだ悪役令嬢ディートリンデは、飢えた辺境ヴェルデンへ流された。貧乏くじでその護送役になったのが、俺だ。 着任した彼女が最初に命じたのは、死者の数を数えることだった。名前まで全部。 それから彼女は、配給の順番を決めて全員に公開し、自分は列の最後尾に並び、領地を襲った夜盗を一人残らず処刑した。慈悲は資源。余ったときにだけ配る——彼女はそう言う。 言っておくが、彼女は改心しない。最後までだ。優しくもならない。それでもこの領地では、あの冬から誰も飢えて死んでいない。 俺はまだ、彼女のために剣を抜くと決めたわけじゃない。ただ、彼女が誰かを「数に入れる」とき、その数から漏れた者を俺は一人も見ていない。 これは、慈悲を知らない領主に俺たちがついていく話だ。 ※小説家になろう・アルファポリスにも同時掲載しています。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/07/24
  • 現在の作品うちの悪役令嬢は慈悲を知らない。だから俺たちは生きている