あらすじ
花火が大嫌いな紫音。
1年前の夏祭り。親友の那海に勇気を振り絞って伝えた「好き」は、大きな花火の音に掻き消された――はずだった。
だから今年は浴衣も着ない。もう期待しない。ただの友達として、那海の隣にいられればそれでいい。
けれど花火が消えたあとの夜道で、那海は静かに告げる。
「……聞こえてた」
聞こえなかったことにした少女と、届かなかったことにした少女。
花火のせいにして守ってきた関係が崩れたとき、ふたりの胸に隠されていた1年分の本音があふれ出す。
これは、去年の夏に置き去りにされた「好き」に、もう一度返事をする物語。