あらすじ
1986年チェルノブイリ。
たった一人の肉親・姉を「事故」で奪われたKGBの神童レフは、姉が遺した「事故じゃない、誰かにやられた」という言葉だけを胸に、4年間たった一人で真実を追い続けてきた。
――そしてついに掴んだ決定的証拠を突きつけるため、16歳の彼が送り込まれた潜入先は、なぜかアメリカの高校。
標的はCIA長官の家族。冷戦の最前線を渡り歩いた神童にとって、人生で最も場違いな任務だった。
だが転入初日、図書室で栗色の髪の少女と正面衝突したあたりから、完璧なはずの計画は静かに狂い始める。
世話焼きな生徒会役員エミリー、毎朝ピロシキだけを届ける“氷の女王”ワレンチナ、特ダネを追う記者サラ。
3人の少女に振り回されるうち、文化祭のテーマはよりにもよって「世界平和」、レフはなぜか実行委員に任命され……。
やがて世界は坂を転がり始める。
核弾頭は花火に、国連安保理の議題は「あの転校生は結局誰を選ぶのか」に。
冷戦を終わらせたのは、外交でも核抑止でもなく――たった一枚の企画書と、一箱の折り紙だった。
世界一場違いな場所で、世界一くだらない方法で、世界平和が実現してしまう。
壮大で、切なくて、少しばかり間の抜けた物語。
全32話・完結済み。