あらすじ
「どうか、お幸せに」
侯爵令嬢ヴィオレットは、婚約者である第一王子ジークベルトに、大勢の貴族が集う夜会で突然の婚約破棄を言い渡された。理由は聖女ヒカリへの嫉妬と暴行――すべて、身に覚えのない濡れ衣。
けれど、ヴィオレットは泣かなかった。
異国から現れた"聖女"ヒカリ。まるで筋書きを知っているかのように立ち回る彼女に骨抜きにされ、婚約者を後回しにし続けた王子。とうに冷めきった心で、ヴィオレットは静かに婚約破棄を受け入れる。
――ずっと、籠の中にいた。その扉が今、開かれたのなら。飛び立たない理由が、どこにある。
こうして彼女は、生まれ育った国を出る決意をする。誰にも縛られない、自由な人生を求めて。
やがて訪れる、一匹の従魔との出会い。そして、隣国の王子レオンハルトとの、思いがけない邂逅
捨てられた令嬢が手に入れたのは、想像もしなかった自由と、溢れるほどの寵愛だった。
一方その頃、彼女を失った婚約者は、聖女は――。
クールな令嬢の、静かで痛快な再出発。恋と自由をつかむ物語、開幕です。