あらすじ

王立魔法学院に通うユリウス・レインは、誰からも好かれる、ごく平凡な少年だった。 成績はいつも平均点。 困っている者には手を差し伸べ、怪我をした友人を気遣い、誰に対しても穏やかに笑う。 けれど、そのすべては計算されたものだった。 ユリウスには、人の悲しみも、喜びも分からない。 幼いころから周囲の表情を観察し、場面にふさわしい言葉と笑顔を選ぶことで、「優しい人間」を演じてきた。 さらに彼は、時間を止め、空間を操り、あらゆる魔法を解体できるほどの力を隠していた。 ある日、学院の演習森林に、本来いるはずのない魔獣が召喚される。 仲間たちが次々と倒れるなか、震えながらもユリウスとリナを守ろうとする、目立たない少女ネネ。 彼女には戦う力などないはずだった。 それでも、自分より先に他人を守ろうとする。 誰の痛みも理解できない少年は、初めて理解できない存在に興味を抱いた。 それが、彼にとって唯一の感情になるとも知らずに。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/07/25
  • 現在の作品平均点の少年は、誰の痛みも分からない