あらすじ
机には生ごみ、教科書は破られて。長年の婚約者ヨアヒムに尽くし続けてきたエリーゼは、それでも彼の優しさを信じることで、学院でのいじめに耐えていた。
だが、夜会の夜、扉越しに聞こえたのは「本気にするなよ、賭けの余興だろう」という嘲笑と、彼が本当は別の女を愛し、実家の援助目当てで自分を孤立させ、依存させようとしていたという真実。
ショックのまま逃げ込んだ庭園の森で出会ったのは、自分と同じように傷つき、瀕死だった一頭の子竜。「もう二度と、どちらも踏みにじられない」——竜語の声で交わした誓いを胸に、彼女は子竜と共に、辺境の竜騎士団への推薦を父に願い出る。
辺境で待っていたのは、誰も乗りこなせない一頭の古竜と、無愛想な団長ラインハルト。エリーゼには、亡き母から受け継いだ「竜語の声」があった。ただし、嘘をつけば竜には響かないという代償つきで。
感情を偽ることをやめたエリーゼは、二頭の竜と、仲間と、確かな居場所を得ていく。そして二年後の冬、国境に迫る魔物の大群。彼女は竜騎士団を率いて、三度、辺境を救う。
半年後、王都で開かれた叙勲式。かつての婚約者の前に現れたのは、辺境伯の位と、竜騎士団長の任を授かった彼女だった。そこで暴かれる、賭けの真実。
静かに終わらせた過去が、輝かしい凱旋になって還ってくる。異世界ざまぁ×溺愛ファンタジー。