あらすじ
世界は、ゆっくりと滅びつつある。
戦争によってではない。
疫病によってでもない。
人類の愚かさによってでもない。
はるか昔、セラフィンと呼ばれる超越者たちは滅び去った。
その亡骸は山々の下に、
海の底に、
そして忘れ去られた大陸の奥深くに葬られた。
しかし――彼らの意識だけは、死ぬことがなかった。
死した神々が見る夢は、現実そのものを書き換え始める。
それこそが 「玉座(トロノス)」。
時間が歪み、
生命は異形へと変貌し、
世界は少しずつ、太古の記憶へと塗り替えられていく。
すべてのトロノスは、
死んだ神が「生きていた頃」を思い出そうとする夢である。
人類はその悪夢に抗うため、
巨大な要塞を築き、
《昇華者》を育て、
幾千もの命を捧げながら終わりなき戦いを続けてきた。
だが――
決して死なないものを、
誰が滅ぼせるというのか。
ある日、一つのトロノスの最深部で、
決して存在するはずのない一人の少女が発見される。
その出会いは、
世界の歴史を、
人類の常識を、
そして神々の夢そのものを揺るがしていく。
死よりも恐ろしいものがある。
それは――
決して目覚めてはならない夢。