あらすじ

魔王が討伐されてから三年。 戦場で命を落とした冒険者たちの装備を回収し、遺族へ届ける「遺品整理人」の少年ノアには、誰にも言えない力があった。 遺品に触れると、その持ち主が死ぬ前についた「最後の嘘」が聞こえる。 「必ず帰る」 「お前のことなんか、最初から愛していない」 「俺は一人でも平気だ」 聞こえてくるのは、残された誰かを守るためにつかれた、悲しい嘘ばかりだった。 ある日、ノアのもとへ一本の折れた聖剣が持ち込まれる。 それは魔王討伐の直前に仲間を見捨て、国を裏切って逃亡したとされる勇者レオンの遺品だった。 聖剣に触れた瞬間、ノアの耳に男の声が響く。 「俺が、みんなを裏切った」 それが勇者の最期についた嘘ならば、歴史に刻まれた英雄の罪もまた、誰かによって作られたものだった。 勇者の妹を名乗る少女ミアとともに、ノアは各地に散らばった勇者一行の遺品を集め始める。 折れた剣。 焼け焦げた手紙。 血の染みた指輪。 名前を削られた勲章。 遺品に残された嘘を拾うたび、世界が隠した真実が少しずつ姿を現していく。 勇者はなぜ、裏切り者になることを選んだのか。 そして彼が命を懸けて守ろうとしたものとは――。 これは英雄になれなかった遺品整理人が、歴史から捨てられた勇者の真実を拾い上げる物語。

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カクヨム
カクヨム2026/07/24
  • 現在の作品勇者の遺品整理人 ――死者が最期についた嘘だけ聞こえる俺は、裏切り者と呼ばれた英雄の真実を拾う