あらすじ
幼少期から暴力と暴言のなかに育った「彼(私)」。大人になったある日、差し伸べられた温かい「手」を、自分を傷つけるものと誤認し、激しい嫌悪感を抱いてしまう。
――子供のころに植え付けられた歪んだ価値観は、大人になっても心を縛り続ける。愛を囁かれるほどに気持ち悪くなり、世間の言う「当たり前の愛情」を受け取ることができない。
それなのに世間は、傷ついた子供を放置したまま、大人になった瞬間に「すべては自己責任だ」と冷たく突き放す。
「赤色を青色だと教えられて育った人間を、誰が責められるというのか」
20年かけて染みついた呪いを解くには、あと何年かかるのだろう。健全に育った人々がのたまう「自己責任論」の欺瞞を暴き、魂の叫びを綴った、切実で痛烈な心理モノローグ。