あらすじ
東京の会社を一年で辞め、逃げるように故郷・茅ヶ崎へ戻ってきた森下夏帆、二十三歳。
自信を失った彼女が働き始めたのは、ラチエン通り沿いの小さなサーフショップ「波音サーフ」だった。
そこで出会ったのは、明るく優しいサーフィン講師・桐谷蒼。
「落ちてもいいよ。海って、そういう場所だから」
失敗しても笑わず、小さな一歩を見つけてくれる蒼の言葉に、夏帆は少しずつ前を向き始める。
けれど、誰よりも海が似合う蒼にも、かつて届かなかった夢と、心に残った痛みがあった。
やがて夏帆のもとに、辞めた東京の会社から復職の誘いが届く。
東京へ戻るのか。
茅ヶ崎に残るのか。
そして、蒼への想いを伝えるのか。
波を待つことはできても、恋にだけは不器用な彼は、夏帆を引き止めることができるのか――。
ラチエン通り、サーフショップ、烏帽子岩の見える海。
湘南のひと夏を舞台に描く、傷ついた二人の再出発と、じれったくも優しい恋の物語。