あらすじ

島国トロワでは、豊穣の国イラソル、科学の国イヴェリス、芸術の国ネックロースが、停戦協定のもとで平穏を保っていた。  イラソルの第一王女クルル・フルールは、自由に城を出ることも許されず、退屈な日々を送っている。そんな彼女の唯一の楽しみは、幻の芸術家フィーロ・リリィの作品を集めることだった。  ある日の謁見会。商人を名乗る青年ルイが、フルールさえ見たことのないリリィの彫像を献上する。  謁見会の翌日、城下町では年に一度の祭りが始まった。街が祝祭の熱気に包まれる一方、フルールは城の中からその賑わいを眺めることしかできない。  迎えた祭りの最終日。夜更けの部屋でひとり退屈していたフルールの窓を、何者かが叩く。  カーテンを開けると、窓の外には謁見会で出会った青年ルイが立っていた。 「私と一緒に来ませんか」  突然の誘いに応え、フルールは城を抜け出す決心をする。  籠の中で生きてきた王女は、まだ見ぬ世界へと踏み出していく。

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カクヨム
カクヨム2026/07/24
  • 現在の作品籠鳥雲を恋う