あらすじ

冬の海辺の町で、探偵事務所を営む汐見杏。腕は確かだが、感情を言葉にするのが致命的に下手で、依頼はめったに舞い込まない。 ある日、杏は防波堤で行き場を失った青年・菖蒲棗と出会う。事故で全てを失った棗を、杏は理屈もなく事務所へ連れ帰る。「放っておけない気がした」というだけの、彼女らしい不器用な理由で。 こうして始まった奇妙な同居生活の中、杏のもとには小さな謎ばかりが持ち込まれる。喫茶店の常連客の変化、近所で囁かれる些細な違和感――事件と呼ぶには小さすぎるそれらを、杏は一つひとつ丁寧に解き明かしていく。 けれど、その観察眼の鋭さの裏には、彼女がかつて警察学校を追われた過去があった。そして棗もまた、誰にも語っていない事故の記憶を抱えている。 小さな謎を通して少しずつ距離を縮めていく二人の先に、待っているのは――。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/07/24
  • 現在の作品杏と棗の推理譚