あらすじ
数百の能力から一つだけ選べる転生で、俺が迷わず取ったのは【全知演算】――人類最高の頭脳。拳の一振りより、たった一つの“正しい問い”で理不尽をひっくり返す。
四十歳で死んだ冴えない会社員の俺は、まったくの別人に生まれ変わった。しかも死ぬたびに別の誰かへ転生し、そのたび特典を一つずつ増やせるらしい。なら最初に取るべきは、“次に何を選ぶかを考える頭”だ。
縁日のイカサマも、家族を狙う詐欺師も、街ぐるみの偽物の熱狂も――数字と観察で、静かに詰ませる。暴力なんて要らない。頭さえあれば、たいていのことは解ける。
……ただ一つ、女運だけはどうにも計算が合わないのが誤算だが。
そして周を重ねるほど、俺は気づく。この世界の奇妙な“綻び”に。そもそも俺を“この人生”へ割り振っているのは、誰なのか――。