あらすじ

諸君は恋というものを信じるだろうか。私は信じない。断固として信じない。 大学三回生の私は、四畳半の畳を睨みながら日本の未来と己の単位を憂えるだけの日々を送っていた。世間では、フルダイブ型VRMMO『グランテラ・オンライン』の住人に懸想して現実へ帰らぬ阿呆どもが社会問題になっている。所詮はデータへの片思いである。私は彼らを心ゆくまで軽蔑していた。 ログアウトせぬ悪友を連れ戻すべく、その世界へ潜り込むまでは。 迷宮にも潜らず、銅の剣を提げて酒場の隅を温める私が、やがて知ることになる。この町の西の門には、ある日ぱたりと来なくなった冒険者を、何年でも待ち続ける者たちが並んでいるのだと。 ――彼らはそれを「ログアウト」とは呼ばない。「還らず」と呼ぶ。

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小説を読もう2026/07/24
  • 現在の作品NPCに恋して帰らなくなる病が流行っているが、私はそれを心ゆくまで軽蔑していた