あらすじ
ダンジョン攻略の裏側には、誰にも知られない”もう一つの最前線”がある。
それは、通信インフラ。
基地局を建て、光ケーブルを敷設し、探索者たちが安心して帰ってこられる”圏内”をつくる仕事。
中堅ダンジョン通信会社で施工管理として働く黒瀬悠真の毎日は、とにかく忙しい。
終わらない工程会議。
通らない景観申請。
訳のわからない高額な工事見積もり。
発注したはずなのに、なぜか足りなくなる部材。
ようやく開局した基地局も、翌日には原因不明の通信障害。
深夜の障害対応、休日の緊急呼び出し、そして「圏外をなくせ」と迫る探索者たちからのクレーム。
敵は魔物だけじゃない。
いや、むしろ一番厄介なのは人間かもしれない。
それでも通信がつながれば、誰かが生きて帰ってくる。
これは、英雄でも最強でもない。
ダンジョンという最前線で、今日も圏外と戦い続ける施工管理たちの物語。