あらすじ
【幾度死んでも、あなたを救う。たとえ、その記憶を失おうとも。】
西方へと旅を続ける白馬の主、玄奘。
陶磁器のように美しい顔立ちの彼女は、その美しさとは裏腹に、氷のように鋭い眼光で従者の妖怪・孫悟空を「道具」として冷徹に突き放し、縛り続けていた。
「黙して従え。それが定めだ」
悟空の圧倒的な熱を拒絶し、頑なまでに心を凍らせる玄奘。
しかし、その苛烈な態度の裏には、ある狂気的な秘密が隠されていた。
立ち塞がるのは、人間の「絶望」を糧とする絶大なる魔神・牛魔王。
避けることのできない破滅の結末を前に、玄奘はある悲壮な決意を固める。
一方、悟空は、頭の金の輪(緊箍児)によって力を抑え込まれ激しい異変に襲われる。
閉ざされる記憶、消えゆく名前、そして胸に穿たれる、覚えのない圧倒的な喪失感――。
「二度と私に会うな。私を見失え」
少女の涙とともに残された言葉の意味とは。
記憶を奪われ、ただの「飢えた獣」へと戻った孫悟空:斉天大聖が、己の魂を苛む空虚の正体を暴くため、激しい殺意とともに立ち上がる。
西遊記の概念を覆す、ダークループファンタジー。
狂気とエロティシズム、そして地獄の底のような純愛の行方を、どうぞ見届けてください。