あらすじ
かつて世界は「星の欠片」と呼ばれる魔力の源によって守られていた。しかし千年前、大魔法使いたちの戦争によって星々は砕け散り、その光は少しずつ世界から失われていった。今、最後の欠片が眠るという伝説の塔「アルシエル」に、身寄りのない少女ルーシェが迷い込む。
彼女は生まれつき、他人の魔力を「視る」ことができる特異体質を持っていた。しかしその力ゆえに故郷を追われ、放浪する日々を送っていた。塔で出会ったのは、かつて世界を救おうとして封印された伝説の魔法使いカインの魂だった。カインはルーシェに「星喰み」の力――消えゆく魔力を吸収し、新たな星として再生させる力――を託そうとする。
だが、その力を狙う帝国の追手、そして世界の均衡を守ろうとする「番人」たちが、ルーシェの運命に絡みついていく。友情、裏切り、そして自己犠牲。少女は「力を持つこと」の意味を問われながら、世界の命運を賭けた旅に出る。
これは、消えゆく光を継ぐ者の物語――そして、絶望の中でも誰かが希望を選び続ける限り、世界は終わらないという物語である。