あらすじ
「東京で失敗したんじゃない。一から練り直すための時間を、神様がくれたんだ――」
東京での仕事も恋も全て失い、逃げるように故郷の京都・嵯峨野へ戻ってきたグラフィックデザイナーの葵(あおい)。
自分への自信も「デザインする理由」も完全に打ち砕かれていた彼女の前に現れたのは、老舗和菓子店『藤堂庵』の若旦那となった幼馴染の蓮(れん)だった。
蓮が作る繊細で温かい京和菓子と、奥嵯峨の静寂に佇む神社で手にした不思議な『恋みくじ』。
『結びし糸の ほつれを恐れるなかれ ほどけし後にこそ 真の縁は結ばれる』
解けてしまった過去の糸。だけど、解けたからこそ、今度は本当に大切な人と強く結び直すことができる――。
挫折を抱えた女性が自分の心と向き合い、幼馴染とともに新たな未来へ歩み出す。
初夏の嵐山を吹き抜ける風と、和菓子の甘い香りに包まれる、温かな再起と愛の物語。