あらすじ
就職活動中の大学生・遠野優也は、十二年前の夏のトラウマに今も苛まれていた。
小学生の夏、ガキ大将だった幼馴染・三隈竜平が目の前で土砂崩れに飲み込まれたあの日。恐怖と歪んだ解放感から救助も呼ばず逃げ出した優也は、「親友を見殺しにした」という消えない罪悪感を胸に抱えて生きてきた。
ある日、実家から土砂崩れのあった山が工事され「道の駅」になると知らされる。
現場が掘り返されれば、あの日隠した証拠と竜平の遺体が見つかってしまう――。過去の罪が暴かれる恐怖に耐えかねた優也は、逃げるように故郷の限界集落・霧間(きりま)へと帰省する。
そこで再会したのは、兄の失踪に区切りをつけたいと願う竜平の妹・沙耶だった。
罪悪感を隠したまま、彼女の調査に協力することになった優也。
だが、記憶の中にある「蝉の声」と「カブトムシの時期」の不自然な食い違いから、調べを進めた二人は衝撃の事実に辿り着く。
十二年前、土砂崩れなど起きていなかった。
新聞に記録されていたのは――県内を震撼させていた【連続児童誘拐事件】。
「俺が見た土砂崩れは何だったのか?」
「なぜ、俺の記憶は改ざんされていたのか?」
「そして――竜平は、どこへ消えたのか?」
閉ざされた村の異様な沈黙と、忍び寄る影。
偽りの記憶の裏に隠された、あまりにも残酷な真実とは。
蝉しぐれだけが知っていた、あの夏の恐ろしい秘密を解き明かすサスペンス・ミステリー。
7月29日0時完結
誤字脱字チェック、アイデアの壁打ち段階でAIを使用しています。