あらすじ

社交界の婚約解消には、様式がある。 夜会の満座で「悪女」が断罪され、両家は被害者同士として円満に別れる。 ――その悪女が、雇われた偽者だと知る人は少ない。 没落男爵家のユスティーネ、二十三歳。 表の顔は、礼法指南の先生。 裏の家業は、王朝の古法に残る〈詫び役〉――誰のものでもない罪を仕立てて着る、断罪の代役業。 依頼ごとに髪と声と名前を替え、今夜も見事に断罪されて、消える。 ……はずが。 客席に、毎回同じ目でこちらを観る男がいる。 芝居好きの若き公爵レオポルトは、彼女の幕を見抜いた唯一の観客。 名は聞かず、正体は明かさず、幕が下りるたびに小さく言う。 「――見事な幕でした」 世間では「百面の悪女」の伝説が勝手に膨らんでいく。 罪を着るのが上手すぎる女は、素顔で呼ばれる名前だけを、まだ持っていない。

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小説を読もう2026/07/24
  • 現在の作品本日の断罪、代役を承ります ~「百面の悪女」と噂されておりますが、罪はすべて作り物ですの~