あらすじ
令和の世の中は便利になった。
だが、人間の心だけは昭和の頃から何ひとつ変わっちゃいない。
強い者は弱い者をねじ伏せ、噂は拳より鋭く人を傷つける。
そんな時代の片隅で、ひとりの少年が“倒れても終わらない男”になる物語が始まる。
星野創一朗。
父の会社が倒れ、家は一気に貧しくなった。
それでも父は、泥だらけの作業服を洗い、家族の前では笑っていた。
その背中を見て育った創一朗は、弱い者いじめが大嫌いな黒田と出会い、
同時に、冷たい悪意を持つ佐伯に目をつけられる。
佐伯は、創一朗を追い詰めるためなら父の過去さえ利用する。
校門で浴びせられた侮辱。
机に詰め込まれた悪意。
泥の上履き。
少年の心は折れかけるが、折れなかった。
父の背中が、まだ倒れていなかったからだ。
夜、公園で老人と語る父の姿を見た創一朗は、
父が“逃げた負け犬”ではなく、
裏切られ、傷つき、それでも家族のために立ち続けた男だと知る。
その真実は、少年の胸に静かな火を灯す。
令和のどてらい男は、拳だけで生きるわけじゃない。
心で殴り返し、信念で立ち上がり、家族を守るために泥の中を歩く。
これは、倒れても倒れても終わらない男の“生い立ち”の物語である。