あらすじ
「降って湧いた幸運」(ツキュディデス)によって外交や戦争で成功や勝利を得たとき、国に傲りが生まれる。
自らが抱える問題を「現実的なわきまえのもとに可能な解決策をとるよう努力すること」がリアリズムなら、国が傲るとリアリズムが失われ、悲劇を生む。
日米開戦に至った戦前日本の対外政策がその例である。
では、戦後日本の対外政策にリアリズムは戻ったのか。
安保改定時に導入された事前協議制度はリアリズムと言えるのか。
沖縄返還交渉において核密約が結ばれたが、これがなくても返還は実現したのか。
理論と歴史から検証する。
上巻:帝国日本の形成と瓦解
下巻:戦後日米関係と日本のディレンマ
〈目次より〉
第一部 リアリズムとは何か〈理論篇〉
第1章 国際政治のリアリズムと近代日本
第2章 リアリズムの理論と政策
――力のリアリズムとプルーデント・リアリズムの葛藤
第3章 ツキュディデスのリアリズム――古代ギリシャに学ぶ国際政治
第二部 日清戦争から太平洋戦争へ〈戦前篇〉
第4章 帝国日本への道をつけた日清戦争
――陸奥宗光のリアリズムを問う
第5章 帝国日本の形成と瓦解
第三部 日本にリアリズムは戻ったか〈戦後篇〉
第6章 戦後日本の再建と吉田茂――吉田茂のオペレーショナル・コード分析
第7章 日米同盟への忠誠と反逆――岸信介と日米安保条約改定
第8章 沖縄返還によって日本の戦後は終わったか
――非核日本の安全保障を探求した若泉敬
第9章 国際政治のリアリズムと日本