あらすじ
「ねえ、聞いたことある?」
『なにを?』
「ほら、あれだよ! あの《ポ◯モンスリープ》の怪談!」
『怪談?』
「そう! 一晩中、寝言とか物音とかをアプリが録音して、睡眠スコアをつけるでしょ? でもね、朝に再生すると……自分の知らない声が入ってるんだって!」
『はは。そんなわけないだろ。考えすぎw』
知らないクラスメイトの会話を隣で聞いていた自分は、
笑いにもならない、薄い冷笑が漏れた。
声が入っていたとして。
それはきっと――いつもの、両親の喧嘩だ。
この家の、あの声。怒鳴り声と泣き声。瓶の音。壁が軋む音。