あらすじ
僕は昔から、他人の言葉を「自分の意見」として語るのが得意だった。
ある日、何でも完璧にこなす親友の真司から、「初めて書いた」という小説の原稿を読まされる。
その圧倒的な面白さと、まるで自分の脳内を直接覗き込まれたかのような奇妙な一体感に、僕は激しい嫉妬を覚えた。
「ありきたりだ。下読みで落とされる」
僕は嘘をついて彼に執筆を諦めさせ、その傑作を「自分の作品」として新人賞に応募してしまう。
だが、それは完璧な天才である親友が仕掛けた、恐るべき罠の始まりに過ぎなかった。
最終選考発表の日、明らかになる残酷な真実。
その小説は、一体「誰のもの」だったのか——。