あらすじ
「風の向こうで、同じ青を聴いた気がした。
それだけで、生きていけると思った。」
ミオ、リオ、ナナ、カナ。
自分の「まだ見ぬ存在」に向けて信号を送る4人。
“呼びかけ”が重なるとき、世界に小さな和音が生まれる。
声、言葉、音、記録、光――
海の泡の音、風に混じる囁き、空気の震え。
光がゆっくりと薄れ、
風が音楽のように世界を通り抜ける。
それは終わりではなく、
まだ名のない調べのはじまりだった。
4人の存在はそれぞれ異なる波長でありながら、
世界が静止する直前に完全な和音をつくる。
崩壊ではなく、
全ての波が同じ青に重なる瞬間。
そのとき、海も空も、心も区別を失い、
ただひとつの「響き」になる。
完成した音楽はもう誰のものでもなくなる。
世界そのものが“青い響き”として続いていく。
滅亡とは、存在が止まることではなく、
調和が完成すること。
誰もが消えたあとも、青い音だけが残る。
それを未来と呼ぶなら、
滅亡はきっと幸福のかたちをしている。