あらすじ
佐野晶、十六歳。ごく普通の高校生だったおれは、青信号の横断歩道でトラックに轢かれて即死した。
目覚めた先は真っ白な空間。事務的な女神さまに告げられたのは、異世界への転生。しかもチート特典は一切なし。「当管理局では公平な転生を心がけております」って、夢がなさすぎるだろ。
それでも第二の人生、平和にのんびり生きようと決めたおれは、たどり着いた街のギルドで軽い気持ちで素養測定を受ける。すると水晶は金色に大輝光。百年ぶりの〈勇者〉の素養持ちだと大騒ぎに——って、ちょっと待て。
勇者ってあれだろ? 四天王やら魔王やらと命懸けの戦いを繰り広げるやつだろ? 冗談じゃない。おれはさっき死んだばかりなんだ。二度目の人生の目標は「死なないこと」に決まってる。
そうだ、逃亡しよう。
こうして名乗る前にギルドの裏口から全力ダッシュ。だがおれは知らなかった。勇者判定の記録は自動で王国に送信され、国の威信を懸けた「消えた勇者」の大捜索が始まることを——。
逃げる勇者(仮)と、追いかける王国。異世界のんびりスローライフ(希望)×全力逃亡ファンタジー、開幕!