あらすじ
高校一年生の朝比奈由奈は、人付き合いが苦手な少女だった。
放課後、人のいなくなった旧音楽室で一人ピアノを弾くことだけが、彼女にとって心の休まる時間だった。
ある日、そこで出会ったのは、自分にしか見えない幽霊――神崎蓮。
四十年前から旧音楽室に留まり続ける彼は、自分がなぜここにいるのかも、生前の記憶もほとんど失っていた。
軽薄でお節介な蓮に振り回されながらも、由奈は少しずつ彼との放課後を当たり前のものにしていく。
そんな中、二人は旧音楽室の棚の奥から一冊の未完成の楽譜を見つける。
そこに記されていた作曲者の名前は――神崎蓮。
止まったままの曲。
失われた記憶。
そして、どうしても思い出せない過去。
音楽を通して互いの孤独に触れながら、由奈と蓮は少しずつ真実へ近づいていく。
これは、ひとりだった少女と、ひとりで待ち続けた幽霊が紡ぐ、放課後の青春音楽物語。