あらすじ

今は昔、竹取の翁といふものありけり。 その翁に子あり。名をば かぐや とぞいひける。 「父上」 家の前で座り込んでいる少女が言う。 「どうしたかぐや。もう寝るから早く家に入りなさい」 「お月様を見ると心が落ち着きます。どうしてでしょうか」 夜空の中で完璧な円を描き輝くそれを見て、少女は問う。翁は少し考えたのち、答える。 「夜になったら辺りが闇に包まれて、みんな不安になってしまう。だからみんなが安心できるように、私達を照らしてくれているんだ。今のかぐやのようにね」 それを聞いた少女は微笑む。 「そうなんですね。とても素敵です」 「それに、お月様には母さんもいるんだぞ」 「母上が?」 少女は驚き、翁は微笑む。 「そうだ。お月様はあの世って言って、この世で亡くなった人達が集まる場所でもある。だから母さんが見守ってくれているのも、かぐやが落ち着ける理由なのかもしれないね」 少女は勢いよく立ち上がり、再び問う。 「じゃあ私も、いつか母上にまた会えるということですか?」 「そういうこと。でもお月様に行くには、この世でいい子にしていなきゃいけないんだ。だから今日は寝ようね」 夜空のそれに負けないほどに少女は目を輝かせ、元気よく返事をする。 「はい!父上!」 月のその輝きと温もりは、淡々と、永遠に。

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小説を読もう2026/07/23
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