あらすじ

相談室は、いつも白かった。 扉が開くと、まず猫が入ってくる。名はハル。 次に入ってくるのは、法律補助AI「レイ」。人型ではない。薄い板と、スピーカーだけの存在。 担当弁護士は、いつも来ない。 レイは裁かない。ただ、聞く。 横領、ハッキング、誹謗中傷、家庭内の暴力――罪の形は、依頼人の数だけある。 だが、レイが本当に知りたいのは、罪そのものではなく、そこに至るまでの時間だった。 〇・三秒の沈黙。 言いかけてやめた言葉。 隅で丸くなっていた猫が、時々、誰かの足元に寄っていく。 これは、法廷劇ではない。 面談室に流れる、静かな時間の記録。

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小説を読もう2026/07/23
  • 現在の作品【連作短編032】 AI弁護士 全16話 ―罪の前には、いつも理由があった―