あらすじ
山上に建つ全寮制の名門校、白群天文学園。
高校二年生の水城透真は、使われていない旧天文台で一冊の黒いノートを見つける。悪戯めいた文章へ返事を書くと、翌日、見知らぬ少女から新たな言葉が記されていた。
少女の名前は星宮未明。彼女は透真の同級生だったと言う。
しかし出席簿にも集合写真にもその名前はなく、教師も生徒も、誰一人として彼女を知らない。透真自身にも、未明と過ごした記憶はなかった。
一方の未明は、透真と同じ白群天文学園で目を覚ましていた。
ただし、そこには彼女以外の人間が一人もいない。時計は進み、食事も電気も残っているのに、生徒も教師も消え、カレンダーはあり得ない「十二月三十二日」を示している。
彼女が消えた世界と、彼女以外が消えた世界。二人を繋ぐのは、旧天文台のノートだけ。
軽口と推理を交わしながら互いの学園を調べるうち、二人は空席、欠けた写真、十三回目の鐘、そして暦に存在しない「十三月」へ辿り着く。
けれど、二人の記憶は食い違っていた。
消えたのは未明なのか。それとも、彼女を忘れた世界のほうなのか。
会えない二人が互いの存在を証明する、青春SF学園ミステリ。