あらすじ

処刑の前夜。公爵令嬢エルディアーナ・フォン・クロイツェルは、気がつくと、日本のどこかの家の押し入れで正座していた。 「ここは、どちらの牢獄でしょうか」 「押し入れだよ!!」 冤罪で名を奪われた令嬢と、高校二年の高瀬湊人。二人の異世界生活は、深夜一時のティーバッグの紅茶から始まった。 石焼き芋の売り声を詠唱だと思い、ゲーム機のコードを拷問具だと思い、それでも背筋だけは崩さない。そんな彼女が働くことにしたのは、シャッターの下りかけた商店街だった。 ——これは、ざまぁのない悪役令嬢ものです。 断罪劇も、婚約破棄も、ここには出てきません。あるのは、焼き芋の火加減と、迎え火と送り火と、盆の夜にだけ軋む押し入れの襖の音だけ。 帰る扉は、一年に一度しか開かない。 開くとも、限らない。

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カクヨム
カクヨム2026/07/23
  • 現在の作品令嬢と押し入れ