あらすじ
若き天才役者・小柳遥花。
その演技は観客を熱狂させ、一つの台詞、一つの沈黙だけで劇場を支配する。
しかし、公演直後に起きた事故によって、遥花は自分の名前さえ曖昧になるほどの記憶喪失となってしまう。
家族との思い出も、役者として積み重ねてきた日々も、舞台に立った記憶すら失った彼女。それでも、不思議なことに身体だけは覚えていた。
――また、演技をしたい。
過去を知らない”新しい自分”として歩き始めた天才役者は、再び舞台へと挑む。
演じるたびに見えてくる、自分という存在。
忘れたはずの記憶の先に待つ真実とは――。
これは、「演じること」と「忘れること」の狭間で、自分自身を探す一人の役者の物語。