あらすじ
平民出身の特待生マリー・オルコットは、魔術学園で公爵令息セドリック・エインズワースから護衛を依頼される。容姿端麗な彼は、望んでもいないのに多くの人を「魅了の呪い」にかけてしまい、相手から狙われるという悩みを背負っていた。呪いへの耐性が人一倍強いマリーは護衛の適性があったが、学内で目立ちたくないと一旦は渋る。しかし、破格の報酬に吊られて、表向きは恋人として任務を引き受けることになった。
実は、完璧すぎる美男子のセドリックは、マリーが最も苦手とするタイプ。なぜなら、彼女は前世の記憶を持つ転生者で、前世の自分は、顔だけがいい男に引っかかって痛い目に遭っていたからだ。それでも、周りの女子たちはマリーに嫉妬し、彼女の生活は慌ただしいものになる。
護衛術を学んだり、学内で行われる舞踏会のために淑女のマナーを身につけたりする中で、恩師や友人との出会いがあり、段々と学園生活は充実してくる。その一方で、次第に見えてくるセドリックの孤独と、彼が背負う重い運命。誰にも心を開けずにいた彼が、初めて信頼できる相手として選んだのはーー
果たして二人の関係は、契約だけのものなのか。異世界転生×学園ファンタジー、積年の呪いを打ち砕くボーイミーツガールの物語。
本作は、以下の小説版を脚本形式に改変したものです。コンテストの規定上、5話で完結します。
https://kakuyomu.jp/works/16818792436686300023
以下、ネタバレありなので注意。
世界観 魔法が存在する現代によく似た世界。現実世界の電化製品に相当する魔道具がある。魔力を持つのは大体王侯貴族に限られ、平民は持たない事が多い。
マリー・オルコット
年齢 16歳。ワールデール学園一年生。
外見・身体的特徴 肩まである褐色の髪に黒い瞳。親しみやすい可愛らしい容姿だが、作中では平凡と評される。
ステータス ワールデール学園数十年ぶりの平民の特待生。呪いへの耐性がとんでもなく強い。家族仲はいいが、魔道具職人の父が失敗続きで家計は火の車。にもかかわらず、お金持ち学校に入学したので金銭面で苦労している。本当は転生者で、前世は日本の平凡なOL小此木まり。
性格 極度の現実主義者で、金銭感覚がシビア。前世で面食いゆえに男に利用され捨てられた反省から、筋金入りのイケメン嫌い(イケメンアレルギー)。反面、根は情に厚く、弱い者や泣いている者を見過ごせない。転生者であることを最大の秘密として、親にも明かさず固く守っている。
セドリック・エインズワース
年齢 17歳。ワールデール学園二年生。
外見・身体的特徴 「傾国の貴公子」と称される殺人的な美貌。サラサラの金髪、サファイアの瞳、匂い立つ色気。ビジュアルイメージは映画版のハウル。
ステータス エインズワース公爵家の直系嫡男。莫大な財力と情報網を持ち、一族に代々伝わる「魅了の呪い」を継ぐ者。異母兄アトウッドを唯一の信頼できる家族とする。
性格 表向きは飄々として摑みどころのない、余裕綽々の貴公子。人を煙に巻く軽口と、押しの強さでマリーを翻弄する。だが本質は、魅了ゆえに誰とも真の関係を築けず孤独に生きてきた少年。目的のためなら他人を巻き込む冷徹さと、その罪悪感の間で揺れる。アトウッドへの信頼は本物で、彼のために熱くなる一面も。
ヒューゴ・アトウッド
年齢 31歳
外見・身体的特徴 ボサボサの髪に、牛乳瓶の底のようないかつい分厚い眼鏡。ヨレヨレの白衣。全体にむさくるしく、ぱっと見マッドサイエンティストのように怪しいが、本当は……?
ステータス ワールデール学園の教師で、呪いのスペシャリスト(解呪・呪物処理の専門家)。セドリックの異母兄で、母は平民ゆえ本人も貴族籍を持たない庶子。身分がないことを理由に本館の研究室を与えられない不遇な一面も。セドリックの数少ない安全な相手。
性格 胡散臭くぶっきらぼうで面倒くさがり。研究室はゴミ屋敷。一方で観察眼は鋭く、マリーの資質を一目で見抜く実力者。マリーを危険に巻き込むことに良心の呵責を覚えつつ、「セドリックが楽しそうだから」と折れてしまう甘さも。飄々とした態度の裏に弟への切実な愛情を隠している。
シルビア・エセット
年齢 17歳。ワールデール学園二年生。セドリックと同学年。
外見・身体的特徴 金髪縦ロールがトレードマークのゴージャスな令嬢。まつ毛バチバチの華やかな美貌。見た目だけなら「絵に描いたような悪役令嬢」。
ステータス エインズワース家とも交流のある貴族令嬢。セドリックの幼馴染で、彼の「魅了の呪い」の秘密を幼少期から知る数少ない理解者。
性格 高圧的で一見テンプレートな悪役令嬢だが、見た目にそぐわず面倒見がよく世話好きな頼れる存在。セドリックに恋愛感情はなくあくまで幼馴染という立場。セドリックに対しては古女房的に振る舞う。