あらすじ

夜、とあるバー。開店して間もない頃だった。客はまだ数人しかおらず、奥のテーブル席に座っている。照明の光が店内を柔らかく照らし、かすかな話し声が空気に溶けていた。 そこへ一人の男が入ってきた。 男は入り口で立ち止まり、店内を軽く見渡した。それから気だるそうな足取りでカウンターへ向かい、真ん中あたりの席に腰を下ろした。カウンターには他に客はおらず、この席を選んだのはマスターから――酒から――近いという理由だけだった。 男は背中を丸め、肩を落として長いため息を吐いた。やや間を置いて顔を上げると、マスターに低い声で酒を注文した。 やがて酒の入ったグラスが差し出された。それとほぼ同時に男はグラスを掴み上げ、そのまま一気に喉へ流し込んだ。 喉仏が大きく上下し、氷がからりと音を立てた。 男は鼻から息を吐き出し、空になったグラスを静かにカウンターに戻した。 「もう一杯……いや、ボトルごと頼む」 「かしこまりました」 『やめられないんだ……』

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小説を読もう2026/07/23
  • 現在の作品アルコールの嘆き :約2500文字